「ねぇ今度の日曜一緒に映画行かない?」
そう言って の目の前に差し出された2枚のチケット。
この夏話題のアクション映画のチケットだ。
「…って不二部活は?」
そう言ってパックのりんごジュースを飲みつつ尋ねる 。
「今度の日曜は休みなんだ」
にっこりと笑顔を向ける不二。
誘いを断る事を躊躇わせるオーラをかもし出す。
「…別にいいよ、一緒に行っても」
そんなプレッシャーを感じてちょっと後ずさる 。
「じゃ、日曜にいつもの公園で10時にね」
「あ、うん」
の返事を聞くと、不二はにっこりと微笑むと教室から出て行った。
「へっへ〜デートだね」
不二が教室から出て行ったのを確認してから、そう言ってニヤニヤと笑って の机の傍に来る菊丸。
「え?」
「だって付き合ってるんでしょ?」
「…うん、まぁそうだけど…」
頬をほんのり赤く染める。
「へっへ ちゃん、照れてるぅ〜かっわいい」
「何だよ、うるさいぞ」
赤くなったをみて菊丸がからかう。
女の子たちに騒がれているとはいえ、こうしてると普通の女の子みたいだな、と菊丸は思ったりするがそれは口にしない。
がその事に付いて悩んでいるのをよく知っているから。
…乾汁を躊躇いなく飲めるほどに。
と不二は何だかんだ色々あったが、がついに不二の押しに負けて付き合い始めた訳だが、話題多き2人だけにあっという間に噂は広まりいまや学校公認のカップルとなっている。
「デートじゃん」
そう言って笑う菊丸。
「そう言えば2人で出かけるのは初めてじゃないのか?」
ぬぅとどこからかわいて出た乾。
「「ぬぁ」」
驚きのあまり不思議な声を上げる と菊丸。
『ビ、ビックリしたぁ』
と菊丸は心臓の辺りを抑えて気持ちを落ち着かせる。
「…俺のデータによれば2人でどこかに出かけると言うのは初めてだろう?」
そう言って眼鏡の奥をキランと光らせる乾。
「あ、そう言えばそうかも…」
登下校の時、不二がどこからともなく現れて一緒に寄り道をするというのは何度かあるが、2人で待ち合わせてどこかに行くというのは今回が初めてだ。
「にゃー、じゃ初デートじゃん」
と興味津々の菊丸。
「は、初デー…」
かぁぁとますます顔を赤くする 。
「初デートでどこまで行くかな…ぜひ教えてくれよ」
そう言って不敵な笑みを浮かべる乾。
「はっ!?」
目を見開いて乾の方を見る。
「初デートだし、いつもと違う予感ってやつ」
ニヤニヤと笑う菊丸。
「な、なに言ってんだよ、お前らっ」
力任せに菊丸と乾をバンバンと叩く。
「…流石は不二の彼女…あなどれないな」
ひりひりと痛む肩を抑えつつ、ノートになにやら書き込む乾であった。
「ねぇ、あの人かっこよくない?」
「あ、本当だ、かっこいいぃ〜。」
「1人かなぁ?」
「ねぇねぇ声かけてみない?」
「でも誰かと待ち合わせしてるみたいだよ?」
「やっぱ彼女とか、かなぁ…」
「あ、そうかも…やーん、ショックぅ」
チラチラとこちらを伺いながら少し離れた所で騒いでいる少女達。
はそんな少女達の声を聞いて、内心ウンザリしていた。
『彼女って何だよっ。あたしは女だぞ』
かと言って、こんな状況でそんな事を主張できるはずもなく、は不機嫌そうに少女たちから視線を逸らす。
不二と(…一応)付き合い始めた事もあって学校ではこういう事は少なくなったが、学校の外ではこんな事がまだしばしばある。
『…何でだ』
苦悩の表情では小さくため息を1つついた。
そんなにほぉ…とため息をつき目を奪われる少女達。
もちろん、はそんな少女達の様子に気付かない。
『だいだい、自分から誘っといて待たせるなんて…どういう神経をしてるんだ』
とは思い、時計を見る。
約束の時間までまだ10分以上ある…。
『…早く来すぎたかな』
は、ぽりぽりと人差し指で頬をかいた。
これまで、体育会系できたは余裕があるように行動取るように身に付いているせいで友達と待ち合わせる時もしばしばこう言う状況になる。
『…でも自分から誘ったらそれより早く来るだろ、普通』
とやや、八つ当たりめいた事を思う。
「…あ、あの…」
そんなに少女達が意を決して声をかけた。
「あの、お、お1人ですか?」
声をかけられ、少女達の方を向く。
と視線が合うと少女達はかぁぁと顔を赤くした。
「あ、いえ、人と待ち合わせてて…」
「待ち合わせてるのって男の方ですか?」
「もしよかったらそのお友達と一緒にこれから一緒にお茶でもどうですか?」
「え、あの…」
女の子達の勢いにたじろぐ。
「…ごめん、待った?」
その時、後ろから声がした。
「不二」
「ごめんね…じゃ、行こうか」
にっこりと笑い不二はの手を掴むとそのまますたすたと歩き出した。
後に残された少女たちは呆然とそれを見送る。
「…不二、あんまり引っぱるなよ、痛いっ」
ぐいぐいとを引っ張りつつ足を緩める事がない不二。
「駄目だよ。ちょっと、目を放すとすぐこうなんだから」
の方を振り向かずそう言う不二。
「って好きでなってるわけじゃないぞ」
そんな不二に慌ててそう言う。
「なおたちが悪いよ。警戒心ゼロなんだから」
本当苦労が多いよ、と不二は続ける。
「何だよ、それ」
保護者のような口をきかれて、ぷぅっと頬を膨らませる。
「そのまんまの意味、でしょ。…そんな困った子はお仕置きだからね」
「…えっ?」
ダークオーラを感じて青ざめる。
「僕のいない間に他の人と仲良く話した罰としてお仕置き」
そう言って不二はフフッと笑う。
「って相手女の子だし」
「関係ないよ」
「勘弁してくれよ〜」
「駄目。逃がさないよ」
怪しげに笑う不二に恐ろしさを感じる。
『…選択間違えたかな…』
そんな事を思ったとか思わなかったとか…。
でも不二から逃れるのは至極困難な模様。
彼は捕らえた獲物は簡単には離さないから。
(Fin.)
反省文
第3弾。
前回ギャグにならなかったので一応リベンジしてみました…がギャグになってませんね…やはり不二にはかないませんでした。
やはりある意味最強です…恐るべし不二周助。
ナンパに今時お茶しませんかもないだろう…とおもいつつ…まあ、古典的で分かりやすくって事で…。
それにしても不二のお仕置きとは一体!?
怖いですねぇ。
…何をしたのか私には分かりません。
予想できませんでした。
書き逃げです
続きが気になる方はリク下さい。
そうしたらもしかしたら書くかも知れません。
…その時は頑張らせてもらいます
■戻■