「最近 さんの様子が変じゃない?」

最初にそう言いだしたのは河村。

ここ数日の様子がこれまでと違っているのは他のメンバーも気付いていた。



部活中もボーっとしてうわの空でいる事もしばしばあるし、かと思えば突然わたわたと一人慌て出す。
そして、以前以上におっちょこちょいなミスが多い。

そこがまた可愛い…と思うのは、みな共通した意見であるが。



「…どうしたんだろうな、なぁ、越前」

乾が眼鏡の奥を光らせて言う。



「…何で俺限定なんスか?」

憮然として言う越前。



「俺のデータによれば彼女が挙動不審になっているのは、越前が彼女の半径2,5メートル以内に入ったときに限られているからだよ」

乾はノートをペラペラとめくりながら言う。



「本当か?乾」

眉間のしわを深くする手塚。



「…本当も何も、データの正確さが俺のウリだ」

乾のデータの正確さはみな知っている。

ではやはり、彼女の様子がおかしい原因は…。

視線が越前に集中する。

「ふーん」

越前は周りに視線を移す。

そして、少し考えるような仕草をして口を開いた。



「…バレちゃ仕方がないっスね。アレはもう俺のもんなんスよ」

にやりと不敵な意味を浮かべる越前。



「「「なっ」」」

全員言葉を失う。

「「「どういう事だ」」」

皆、声をそろえて叫んだ。



「どういう事も何も、そういう事でしょ。と言うわけなんで、もうアイツに余計なちょっかい出さないで下さいね」

勝ち誇ったような態度の越前といまだショック&パニック状態から立ち直れない面々。

各々その場で固まっている。

そんな状態の先輩sを尻目に越前は1人どんどんと着替えを済ませた。



「残念だったスね」

そう言って越前はバックを肩にかけるとドアに向かう。



「おい、待てよ越前」

桃城が呼び止める。

その声に越前は一旦振り返ったが、

「悪いけど、待たせてるんで」

あえて、誰が待っているとは言わず、越前はドアを開けると平然と出て行った。

ドアを閉めた後、何やら中でどたどたと音がしていたが越前の気にする所ではない。



「余計な時間食っちゃったよ…まったく困ったもんだよね」

越前は、そう言って彼女が待っているであろう場所に向かって駆け出した。



待ち合わせを約束していた校門の所に行くと、すでに彼女が立っていた。

俯きながら鞄を両手に持って門の所によりかさっている。

越前は彼女に気付かれないよう距離をとった場所で息を整えから余裕があるようにわざとゆっくり彼女の元へと歩いていく。



「…待った?」

「ううん、今、私も来たところだから」

ぶっきらぼうにそう言った越前の声を聞いて、は顔を上げほんわりと微笑んだ。

その笑顔に思わず目を奪われてしまう越前。

そのままの顔を見つめる。



「どうかしたの?あっあたしの顔に何かついてる?」

そんな越前を、心配そうに覗き込む

ちょっと首をかしげた感じがとても可愛い。

「!!」

そんな仕草に越前はドキッとさせられる。



「…行こうか」

越前はそんな自分の様子をに気付かれないよう、ほんの少し赤くなった顔を隠すように帽子を深くかぶりなおした。

そしてすたすたと1人歩き出す。

「あ、うん」

そんな越前の後を慌てて追いかける



と。



「キャッ」

慌てたためか、足が絡まっての体が前のめりになる。

は次の瞬間に来るであろう地面の衝撃を覚悟して、目をきゅっとつぶった。

しかし、その衝撃はこない。

が恐る恐る目を開ける。



「…危なっかしいよ、アンタ」

越前によっての身体は支えられていた。



「…あ、ありがとう」

は頬を赤く染めながら体勢を整えた。



そんなを見て越前は小さくため息をつく。

そんな越前の態度にビクッとする



「…まだまだだね」

そう言って越前はの手をとって歩き出した。

そんな越前の駆動にかぁァとますます赤面する

恐る恐る俯いた顔をあげてみる。

そして、ふと、越前の耳の辺りが赤くなっているのに気付く。



それを見ては優しく微笑んだ。

もちろん、前を向いている越前はその笑顔を見る事はできなかったが。

それから、2人は言葉を交わすわけでもなく、ただ手を繋いで歩いていった。















越前が去った後の部室。



「にゃー嘘にゃー。絶対嘘にゃー、嫌にゃー」

だだっこのように腕を振り回して頭を抱える菊丸。



「そんな…越前と…だなんて…そんな…」

青ざめて座り込んだまま立ち上がらない大石。



「うおぉぉ〜ショッキーングッ!!」

滝のような涙を流しつつラケットを振り回す河村。



「…許さねぇ」

ふしゅ〜とマムシオーラをかもし出す海堂。



「認められねぇな、認められねぇよ」

めらめらと燃える男・桃城。



「このままにはしておけんな」

眼鏡の位置を直しながら怪しいビンを鞄から取り出す乾。



「…僕に勝つはまだ早いよ」

かっと開眼した不二。



不二の迫力に自分の落ち込み具合を忘れて後ずさる面々。



「…規律を乱すやつは許さん」

不二の迫力に少々青ざめつつも、かつて試合でも見せた事ないほどの迫力をかもし出す手塚。



対・越前同盟が結成されていた。



まだまだ立ちはだかる障害は大きい。





(Fin.)















反省文

続編いかがだったでしょうか?         
前回反省文でかいたように越前「俺のもの」宣言☆彼は絶対やりますよ。
やってくれるはずです。
逆ハーというより甘々って感じ…ごめんなさい。
越前あんなに積極的なのに手を握って赤くなるそんな少年らしい面も持っている…というギャップ。だってまだ中1ですよ。
余裕たっぷり何でも知ってるよん♪風に見えて結構純粋な面もあったり…したらいいなぁ…と思っております。     
他人に興味ない様に見せて実はすっごく仲間の事を気にしていたりする所が見え隠れするように。
恋敵は強力な面々ですし。まだまだ気がぬけない状況が続くことでしょう。
頑張れ青学ルーキー。










■戻■