「どうやら、巻けたみてぇだな」

後ろを振り返りリクも海軍の船も全く見えなくなってからは腕を止めた。

ぴょんっとやねから飛び降り、船の前方へと向かう。



「もう大丈夫だぞ。海軍巻いた…って大丈夫か?」

青ざめ甲板にへたり込んでいるメンバーに声をかける。



「お前すっげーなぁ」

わははっと笑いながら麦わらの少年が言う。

彼だけが元気だ。



ロビンとサンジ、それから緑色の髪の男は自分で何とか立ち上がったが、他はまだ座り込んだままだ。

は元気な彼に、にっと笑うと舵にすがり付いて座り込んでいるナミにとてとてと駆け寄る。



「大丈夫?ナミさん」

「…っ」

ナミは口の中で小さく呟いた。



「えっ何?」

聞き取れず、は聞き返す。

今度は聞き逃すまい、とはナミの横にしゃがみこんだ。



がしっ。



「ふぇ!?」

ナミに胸倉をつかまれ、の口からなんとも間の抜けた声が漏れた。



「もう少し考えてよねっ。私はアイツラと違ってか弱い女の子なんだからっ」

そのまま前後に激しく揺さぶられる。

の首が絞まる。



「ぐっ…く、苦し…」

の声が聞こえたのかぴたっとナミの手がから離れる。

ぜーぜーっと息を整えた後、は恐る恐るうつむいてしまっているナミの顔を覗き込む。

やや潤んだ目ではきっとナミに睨まれた。

は困った顔をして頭をかく。



「あ〜…もしかして怖かったりした?」

がポツリ、と訊ねる。

ナミの目がますます険しくなる。



「…ご、ごめんなさい」

しゅんっと身体を小さくする



「…」

無言。

ナミから返事は返ってこない。



「ごめん、な」

はもう一度ナミの顔を覗き込んで謝罪の言葉を口にする。

ナミはふぅ〜ッと大きく息を吐き出した。



「そんな顔しないの」

そう言ってナミはの頭を撫でる。



「次からはちゃんと気をつけてね」

ナミの言葉にはこくんっと大きくうなずいた。



「お前面白れぇなぁ〜。なぁ、ナミコイツ誰なんだ?」

が声のほうを見上げるとのすぐ横に先ほどの麦わらの少年が立っていた。



「お前、ルフィか?」

「おぅよくわかったなぁ」

麦わらの少年――ルフィはシッシッシッと楽しそうに笑う。



「そっかぁお前がルフィかぁ」

「おぅ!」

は立ち上がって嬉しそうにルフィの肩をばんばん叩く。



「やっぱ似てんなぁ〜。無茶やりそうなとことかそっくり」

「そっかぁ?」

わっはっはっと2人は笑いあう。

勢いで会話されている、という感じだ。

それを見てナミ、ロビン、サンジは苦笑をし、他のものたちは状況が分からず呆然としている。



「で、誰なんだアイツは?」

緑色の髪の男がすぐそばにいたロビンに尋ねる。



「あら?気になる?」

ロビンは緑色の髪の男のほうを見てくすっと笑みをこぼした。



「知らねぇヤツがいきなり船に乗ってりゃ気にするだろ」

憮然として言う緑色の紙の男。



「船長さんのお兄さんのお仲間らしいわよ」

そう言ってロビンは視線を笑っている2人に戻す。



「ふ〜ん」

緑色の髪の男の視線はへと向けられた。