「ご馳走さん。本当美味かったよ」

「そりゃよかった」

の言葉にサンジは煙草をくわえたままの口に笑みを浮かべた。



「で、さっきの話だけどさ」

ケーキを食べ終えたが話し始める。



「俺今親父達とは別行動中なんだよね」

そう言っては改めて注いでもらった紅茶を口に運ぶ。

ほんの少しカップに口をつけ、慌ててそれを口から離す。



「別行動?」

ロビンが眉をしかめる。



「うん。だからここには親父たちはいない。親父たちはもっと先に行ってる」

一口目が熱かったのかフーフーと紅茶を冷ましながらがうなずいた。



「俺、今あるやつを追いかけてんの」

「…黒ひげ?」

ナミの言葉にはすっと目を細めた。



「アイツ知ってんの?」

再び低くなった声色にナミは青ざめる。



「あっごめん、つい。今んとこはナミさんに何かしようって気はないから安心して…黒ひげ、俺アイツ嫌いだったんだよねぇ〜」

はナミのこわばった顔を見て、ごまかすようににゃははんと笑いながら行った。



「…今のところは、か」

「親父にやれって命令されてるわけじゃないし、そっちが俺に手を出さなきゃ俺も手は出さないさ」

サンジの呟きに意味ありげに笑う



「それより、ナミさん。知ってんの?く・ろ・ひ・げ」

やや首をかしげながらナミの顔を覗き込んで訊ねる

こういう仕草は子どもそのものだ。



「聞いたことがある、ってだけよ。前にエースが…」

「エースがっ?」

ガタンッと立ち上がる



「なぁなぁ、エース知ってんの?あいつに会ったの?いつ?それっていつ?どこらへん?」

に尻尾が生えていたら間違いなく千切れんばかりにそれを振っているだろう、と言う表情。

はナミに向かって身を乗り出す。



「2ヶ月くらい前までこの船にいたの。アラバスタで別れたわ」

に勢いに押されつつそういうナミ。



「2ヶ月前かぁ〜。今はもっと先に行ってんだろうなぁ〜」

ほんの少し肩を落とす



「あなたが捜しているって言うのはポートガル・D・エースなのね?」

「うん」

ロビンの問いに満面の笑みでうなずく

ロビンはそんなににっこりと笑みを返す。



「だったら、闇雲に追いかけるよりここにいたほうが彼と会える可能性が高いと思うわよ」

「えっ?」

「だって、この船には彼の弟がいるんだもの。彼、また会いに来るようなこと言っていたようだし」

「本当っ!?」

今度はロビンに身を乗り出す



「ロビン!?」

「ロビンちゃん!?」

ナミとサンジが声を上げるが、ロビンは悠々とした笑みを浮かべるのみ。



「本当よ。ここはルフィ海賊団。彼の弟が船長の船よ」

ロビンがそういったちょうどその時、外が騒がしくなった。



「か、海軍だぁぁぁ〜っ!!」

その声に4人はキッチンから看板に飛び出した。

外に出ると鼻の長い少年と小さな動物が必死に錨をひきあげようとしていた。



「ルフィとゾロは!?」

ナミが叫ぶ。



「海軍をひきつけてるっ。すぐに来るってよ」

「待てぇぇ〜麦わらぁ〜」

野太い叫び声が段々こちらに近づいてくる。



「げっ来やがった」

「急いでっ行くわよ」

「えっ…ちょっ…」

戸惑うをよそにクルーは出航の準備を整え、船は岸から離れた。



「イヤッホォォォー」

「だぁぁぁぁぁぁぁ」

「げっ!?」



2つの声と同時に何かがめがけて振ってきた。

反射的にそれをよける

その2つは甲板にめり込んだ。



「いやー危ねぇ危ねぇ」

「てめぇもうちっと考えろ」

緑色の紙の男がはっはっはと笑っている麦わらの少年の頭にげんこつを落とした。



「…」

はそれをただ呆然とそれを眺める。



「あんた達っ遊んでないで手伝いなさいよっ。ほら、も」

ナミが怒鳴る。



「えっ?」

「ほら、早く追っかけてきちゃったわよ。海軍に追いつかれたら何かと厄介でしょっ」

「う、うん」



戸惑いつつも海軍という単語に反応する

後方から海軍の船が迫ってくるのが見えた。

とりあえず海軍から逃げなければ、と行動を起こす。



「ナミさんっ舵しっかりとっといて」

そう言っては船の後方に走り出す。



「ちょ、

ナミは慌てて呼び止めたが、は振り返らない。

は船室の屋根に飛び乗ると、しっかり捕まってろよぉーっと叫ぶと、はぁっという掛け声と共に腕を大きく振るった。

ごぉぉっという音と共に激しく風が吹き荒れ船が勢いよく進んだ。



「うわぁっ!」

慌てて近くにしがみつくクルー達。



「たぁっ!」



ごぉぉぉ。



「ッ!」

「いっけぇぇっ!」



ごぉぉぉ。



「キャーッ!」

「まだまだぁっ!」



ごぉぉぉ。



「おっすっげぇ〜」

ゴーイングメリー号は悲鳴と約一名の笑い声と共に海の上をすべるように進んでいった。










20040214