人生色々。
その看板を恨めしげに見上げる。
「何してるのよ。早く入ってきなさいよ」
既に建物の中に足を踏み入れている紅がを呼ぶ。
「…本当に行くの?」
「あったり前でしょ、ほら」
「うぅ〜っ何か、嫌だぁ〜」
駄々をこねるを紅はぐいぐいと中に引きずっていった。
カチャ。
ドアを開け紅は中にいる面々に軽く手を上げた。
中にいる面々が軽く手を上げて答えた。
「ほら、」
「?」
視線がドアに集中する。
紅に呼ばれ、ドアの影にいたが姿を表した。
「おおっっ」
中にいた男の1人がいち早く駆け寄り、ガシッと力強い力で抱き締めた。
ビシッとの身体が強張った。
「心配したぞっ。よく帰ってきたな」
感涙する男の腕の中での身体が微かに震えだす。
「ん?ねぇちょっと…」
隣りにいた箒頭の男がそれに気付き声を掛ける。
「…あ、ゃッ」
の口から小さな声が漏れ、のチャクラが爆発的に体外へとあふれ出してきた。
を抱き締めていた男が驚きほんの少し腕の力を緩めた瞬間、はその小柄な身体からは想像もつかない程の力でその腕を振りほどき紅の後ろへ身を隠した。
その首筋には黒い呪印がうっすらと浮かび上がっている。
「!?」
驚いて振り返る紅。
「…」
は紅の服の裾に顔をうずめ返事をしない。
苦しげに肩で息をする。
「これは…」
の首筋に浮かび上がった模様を見て箒頭の男は1人眉をしかめた。
「オイッ」
「嫌ッ!」
「…痛っ」
は紅にしがみつくに手をのばしたアスマの手をひっかいた。
は荒く息をつき、また、身体の震えも止まっていない。
大人達はそれを見て御互い顔を見合わせた。
「ん〜…俺らはちょっと外でてよっか」
飄々とした口調で言う箒頭。
その口調とはうらはらにその表情は固い。
大人達は視線で会話をする。
紅とを残し他は言葉を発しないまま部屋を後にした。
パタンと扉が閉じた。
紅がの髪を優しく撫でてやる。
しばらくすると落ち着いたのかの首筋から徐々に模様が消えていった。
紅はほっと小さく安堵の息をもらした。
「、大丈夫?」
は紅の服の裾に顔をうずめたままコクン、と頷いた。
「…そう、よかった」
紅はまたそっとの頭を撫でた。
はゆっくりと紅を見上げた。
「…こわっ、怖いよぉ…紅お姉様ぁ…」
その目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
紅はそれを見て一瞬眉をしかめたがすぐに優しいほほ笑みを向けた。
「突然で驚いたでしょう?でもガイも…さっきの眉毛が太くて濃い男なんだケドね…ガイもあなたの事とても心配してたのよ」
紅の言葉にの視線が泳ぎ気まずげに視線を伏せられた。
「…確かにガイはやることなすこと熱すぎる青春馬鹿だけどね、悪い奴じゃないのよ…ちょっと…色々暴走しがちなだけで」
だから嫌わないでやってね、と紅はの頭を撫でた。
一間おいてはこくん、と頷いた。
紅はそのまましばらくの頭を撫でてやるとだいぶ落ち着いたのだろうは掴んでいた紅の服を放した。
「…ごめん、皺になっちゃった」
声も落ち着いている。
「いいわよ、そんなの」
紅はそっとから身体を離した。
「さて、外にいる男どもを中に入れてやろうと思うんだケドいいかしら?…いきなりお年頃なに抱き付いた制裁も与えてやらなきゃいけないしね。まぁ他の2人に散々いじめられてるだろうケド」
いたずらっぽく笑う紅。
はぽかん、と間の抜けた顔でまじまじと紅を見る。
「何よその顔」
くすくすと笑う紅に額をちょんっとつつかれた。
「いいわよ、入って」
紅の声を待っていたのだろうドアが開いて再び3人の男がの視界に入ってきた。
(Fin.)
20040515
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