火影の部屋に通じる廊下では荒く息をつく。
「大丈夫?」
紅は心配そうにの顔を覗き込んだ。
「ん、…なぁ、紅」
は自分の体を抱くように両手で肩を握り締める。
「ん?」
「やっぱ、行かなきゃダメ?なんか気持ち悪いんだけど、俺…」
の目は涙目になっている。
「…少し休む?」
「ん〜…そうしてくれると嬉しい…かも。あ〜でも遅れたら怒られない?」
「大丈夫よ、火影様なら、ね」
紅はの身体を支えるようにして歩き出す。
途中であった顔見知りの中忍に遅れる旨を伝言してくれるように頼む。
一番近くの休める場所、ということで紅はを人生色々に連れて行った。
椅子に座らせると、はふぅっ吐息を吐き出した。
「…ゴメン、ね。紅お姉様」
顔色は真っ青。
冷や汗が頬を伝い、肩がかすかに震えていた。
「謝ることはないわ…なんか飲む?」
紅の言葉に無言のまま左右に首を振る。
紅はを見守るようにそっとの横の椅子に腰を下ろした。
「…ごめんね」
泣き出しそうなの声に紅は優しく微笑んで、そっとの頭を撫でる。
「調子が整ったら一緒に火影様のところに行きましょ」
「ん」
コクン、と頷く。
「あのさ、ちょっと肩、見てくれない?ものスッゴク、痛い」
の言葉に紅の顔色が変わる。
紅は目を大きく見開き、顔をゆがませる。
「腫れてるかも。熱、持ってる感じがする。何か熱い」
は首筋に手を添える。
話し続けて入る間に襟元から首筋へとじわじわと黒い模様が表れてきていた。
「…、辛いだろうけどすぐ火影様のところに行きましょう…動ける?」
「う、うん…」
真剣な紅の目に真っ直ぐに見つめられ、はコクンと頷き、紅の手を借りて椅子から立ち上がろうとする。
「ッ」
しかし肩を押さえその場にうずくまってしまった。
そうすることも辛いのか片方の手で樹陰を押さえたまま、もう片方の手を床に着き何とか体制を保とうとしている。
額が汗でびっしょりぬれているのが見て取れた。
「ッカァ」
「、辛いなら横になりなさい」
手を貸そうとした紅の手をわずかに身体を捻り、はその手から逃れようとする。
「」
悲鳴に近い紅の声。
その声が聞こえていないのか、は虚ろな目で首を左右に振る。
その目には紅の姿は映っていない。
「ウァッ」
の身体が前方に傾き、それは慌てて差し出された紅の腕の中に納まった。
紅の目の前には黒く染まったの首筋。
紅はを抱えた腕にほんの少し力を加えた。
先ほどかいた汗のせいかの身体は冷たい。
「おいおい、どうしたよ?」
紅は声の方に顔を上げる。
「…あ」
声が振ってきた方を見上げた暮れにあの口から微かに声が漏れた。
紅の視線の先には熊の如き大柄な髭男、アスマ。
「誰だ?それ。ん?」
アスマの目が大きく見開かれる。
「何やってんだ。馬鹿っ。急いで医療室、いや、火影様んとこ行くぞ」
アスマは怒鳴ると紅の腕からそれを奪い取るかのように離し、抱えあげた。
ドアに向かって駆け出す。
紅はそれを呆然と見つめる。
「何やってんだっ。お前も来い」
アスマはそう怒鳴るとドアの向こうに消える。
紅ははっと我に帰り、その後を慌てて追いかけた。
20040422
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