、準備できてる?開けるわよ」

軽くノックをし、ドアの外から声をかける紅。



「あっちょっと待って紅お姉様」

「もう時間ないの、開けるわよ」



そんなの言葉を無視し紅がドアをかけると、のたのたと布と格闘している

2人の動きがぴたっと止まる。

2人の視線が合う。



「…何してるの?」

「いや、この服上手く着れなくて」

の言葉に紅はふぅっと息を吐き出した。



「…ほら、じっとして」

紅は絡まっている布を解きに着せ始める。



「どうやったらこんなことできるのよ」

「だって着方がわかんないんだよ、これ。特に中に着たの。よくこんなの着てたよね、俺」

口を尖らせ反論するに紅は苦笑し、最後にベストを羽織らせ、の姿を確認する。



「そろそろアンタも子どもものの服じゃなくいられなくなってきたわね」

そう言ってどこか寂しげに微笑む。



「え〜それってくのいち使用ってこと?紅お姉様みたく胸ないと似合わないと思うよ。アンコもアレで結構胸あるしさ…俺はいいよ。胸ないし寒そうだし動きにくそうだから」

「…スキンシップは後よ」

紅の胸へと手を伸ばすの手を軽く防ぎ、紅はをくるっと後ろ向きにした。



「火影様に会うんだから最低限身なりは整えとかないとね」

髪に櫛を入れ、紅は手馴れた手つきでの髪をアップに束ねていく。



「えぇ〜いいよ、面倒くさい。…もう一度確認するけど火影様って美人じゃないんだろ?」

だったらそんな気張ることないじゃん、と言っては目線だけ後ろに向け、紅の顔を見上げる。



「あんたねぇ…」

紅は苦笑し、ギュッときつめにゴムをかける。



「痛い痛い、もっと優しくやってよ紅お姉様」

悲鳴を上げる



「はいはい」

笑って応える紅。



「その言い方、聞く気ないだろ?」

「当然でしょ、ほら、あと少しだから」

紅はそういうと櫛で軽く髪を逆毛にした。



「ぷぅーっ!!」

頬を思いっきり膨らませるを見て紅は噴出す。



「ほら、完成。可愛い可愛い」

作業を終え、紅はぽんっと軽くの頭を叩いた。



「紅お姉様、鑑見せて」

「ん、はい」

紅から手鏡を受け取ると、は右を見たり左を見たりして確認した後にっこりと笑った。



「どう?」

「ん、いい感じ〜。…ねぇねぇ、あんなにピンピンしてないけどさ、アンコとおそろいっぽくない?」

は紅を上目遣いで見つめつつ尋ねる。



「そうかもね。さ、もう行くわよ」

まだ鏡を見ながらチェックをしているの背中を軽く押す紅。



「うん」

は名残惜しそうに鏡を置いた。



「ホカゲサマ…か。やっぱこう…その名前聞くとドキドキするんだけどなぁ〜…」

ん〜…と大きく伸びをする

くるっと紅のほうを向き直った。



「本当に火影様って美人じゃないんだね?」

「…美人って言うか、それ以前の…えっと、なんていうかしら…ん〜まぁそれぞれの価値観によるんじゃない?」

視線をあさっての方に向ける紅。



「俺、火影様にLOVEってわけじゃ…」



「ないわ」



の言葉を途中でさえぎる形で紅は強く言う。



「ふ〜ん…」

は窓の外へと視線を向けた。

その日の里の天気はどんよりと曇っていた。










20040422










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