「えっと…この手紙くれたのは貴方ですか?」
木の下にいた少女に声を掛けた。
少女の目の前にぴらっと封筒を出した。
「…はい」
消え入りそうな小さな声。
時間と場所を指定した手紙を受け取り、果たし状かと思っては指定どおりここにきたが、どうやらそういうわけではないらしい。
「話って何ですか?任務について?…相談事とかならあんま俺アテにならないよ。アンコや紅お姉様の方が…」
ガシガシと頭をかきつつは少女に尋ねる。
「あの…あのっ私、特別上忍の事が好きなんです」
「へっ?」
口を半端に空けては聞き返した。
改めて目の前少女をは見返す。
目の前には自分とほとんど背が変わらない小柄な少女。
顔立ちは幼いが、たぶん年上…。
見覚えがないからおそらく中忍、もしくは下忍に属するくのいちだろう。
「私とお付き合いしてくださいっ」
中忍(仮)くのいちは力一杯叫ぶ。
「あ〜…えっと…」
引きつった笑みを浮かべる。
下を向いてしかも目を閉じてる彼女には当然のそんなしぐさは見えない。
「あ〜…ごめん、なさい」
気まずげに、だがはっきりと告げられた言葉に彼女はばっと顔をあげた。
その目には涙。
「うっ…」
たじろぐ。
「駄目、ですか?」
少し鼻にかかったような声。
「あ、ぅ…ご、ごめんな」
「何でですか!?理由を教えてくださいっ」
ずずいっと詰め寄ってくる彼女に引きつった笑みを浮かべ1歩後ろに下がる。
特別上忍も形無しだ。
「えっあっうっそのっ」
「はっきり言っていただいてかまいませんからっ。特別上忍っ」
壁際まで追い詰められる。
背中には冷たい壁の感触。
目の前数十cmのところには涙目の少女。
は一端口を開きかけたが下唇を噛むように口を噤んだ。
ふっと目線を落とす。
「…特別上忍?」
急に周りに纏う空気を変えたに戸惑いながら中忍(仮)くのいちは声をかける。
その声にはっとしたようには視線をあげた。
ごまかすように視線を上方にそらした。
ちらっと中忍(仮)くのいちを見た後、は小さく息を吐き出した。
「…俺、好きな人いるから。だから…ごめんね」
彼女の耳に辛うじて届いた小さな声。
中忍(仮)くのいちはじっとの顔を窺う。
「それって…みたらし特別上忍ですか?」
「えっアンコ?何で?違うよ…まぁ好きには好きだけどそういう好きじゃなくて…」
「じゃ夕日特別上忍ですか?」
の言葉を遮る形で中忍(仮)くのいちは続け様に疑問符を投げ掛ける。
「違うよ。紅お姉様もそれとは違う好き」
「じゃ…」
「質問はこれで終わり」
今度はが中忍(仮)くのいちの言葉を遮った。
そのままは彼女の横をすり抜けた。
「ごめんね…じゃ」
「特別…」
中忍(仮)くのいちが呼び止めようとした時にはの姿はすでにそこにはなかった。
「ふぅ…」
先程の場所から少し離れた木の上。
枝の上にしゃがみこむ。
「…な〜んで女から告られなきゃならないんだか」
大きくため息をついた。
20040422
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