「さて、やりますか」



久々の休日。



この日、アンコは任務続きでできなかった部屋の改装をついに決行しようとしていた。

家具の位置換えに加え、大掃除。

便利な助っ人…もとい、かわいい妹分のは予定外に入れられてしまった演習のため遅れると昨日予め聞いている。



「面倒な掃除はに任せるとして」

アンコはそう小さく呟くと部屋の家具をあちこち思いつくままに移動させ始めた。

広いとも言えないが一人暮らしには十分の広さがあるこの部屋も移動するタンスや書籍棚、巻物が詰め込まれたダンボールなどなどによって足場が次第になくなっていく。



「あ〜もうどこから手をつけていいかわからなくなってきたわ」

大きくため息をつき、頭をかくアンコ。



「はぁ〜…」

部屋の中央に陣取っているタンスにもたれかかるようにしてその場に座り込んだ。



「どうしよ…」

コツンと頭をタンスにつけ天井を見上げる。



「ん?」

目の前の本棚の一番上の段にしまわれている小さな箱が目に入った



「あれ?」

何だろう?

アンコは立ち上がりその箱に手を伸ばす。

ほんの少し背伸びをしてアンコはその箱を手に取る。



初歩の封印が施された箱。

封の文字は間違いなく自分のものだった。



「あれ?これって何しまったんだっけ?」

封印を施してあるとはいえこんなところに無造作に置いてある箱。

危険なものではないだろう…危険なものならこんなところには置かず火影様に届けているはずだ…と考えアンコはその封を解いた。



箱の中にあったのは数本の巻物とちぎれた髪紐。

壊れたおもちゃなどのいくつかのガラクタ。

そして何枚かの写真。



「…先生」



アンコは足に力が入らずその場に座り込んだ。



両手で頭を抱え込こんだ。















「アンコー」

ドンドンとドアを叩く音。



「アンコーいるんだろ?手伝いに来たぞぉ」

聞きなれた可愛い妹分の声。



「…?」

アンコは視点が定まらないまま顔をあげた。



「アンコーってばぁ〜」

アンコの目に再び箱が映る。



「ごめん。ちょっとまってすぐ開けるから」

アンコは再び箱に封を施し。それを戸棚の一番上の段に―先ほどあった位置より奥へと―押し込んだ。



「ごめん」

その後慌ててドアを開けを部屋に招きいれた。



「何やってんだよ。…って派手にやってんなぁ」

乱雑な部屋の様子には顔を引きつらせた。



「こりゃ急がないと今日中に終わらねぇな。ったく午前中何してたんだよ」

アンコのほうを振り向きは動きを止める。



「アンコ?」

どこか顔色が悪いアンコ。



「どうかしたのか?」

心配げに尋ねるの問いにアンコは首を横に振った。

そして無言のまま頭をの肩に乗せた。



「アンコ?」

戸惑うの声がアンコの耳元でした。

はどうしてよいか分からず、そのままアンコの次の行動を待つ。



「…ごめん。ありがと」

しばらくして、アンコはの肩から顔をあげた。



「…いいよ。別に」

は心配そうにあんこの顔を見上げる。

アンコは勇気を安心させるためにその頭を少し乱暴に撫でた。



「…アンコ?」

戸惑うの視線を受け止めアンコはいつものようににっこりと笑った。



「さ、とっとと部屋の改装終わらせるわよ」

アンコは撫でるためにの頭に置いていた手で、今度はの頭を軽く小突き、部屋の中心を陣取っているタンスへと向き直った。










2004.10.10.










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